石部の棚田でライトアップイベントがあるというので松崎町の役場に連絡して点灯ボランティアとして参加させていただいた。
いつかしら見た棚田の風景写真、ひとつひとつの田んぼに陽が鏡のように反射して綺麗だった。
それは都会でみるような意図して造られた美しさでなく、限りなく広い澄んだ空、取り囲んでいる緑濃い山々、遠くには町並みや海が広がって何もかもが素朴で息をのむほど完璧に調和している。
実際に訪れて自分の目で感じてみたいと、ぼんやり思っていたのが「石部の灯り」というイベントにより現実のものとなった。
水が張られた畦道をキャンドルの入った袋を手に歩を進める度に見たこともないようなオタマジャクシの大群が飛び跳ねるように泳いで散っては集まって元気いっぱいで、その様子を見ていると、日ごろ心の中で鬱々とした心の淀みの理由が分かったような気がする。ここには確かな安心がある。
気になるところは管理されている住民の方の高齢化問題は深刻と聞くが心の故郷がいつまでも輝きを失わないことを切に願います。