サンデル教授、日本を語る


日経マガジン10月に掲載された記事に目がとまった。
日本でも人気急上昇中の政治哲学者、マイケル・サンデル教授のコラム。

「今、緊急医療の現場に立つ医者である、あなたの前に6人の患者がいる。
1人は今すぐに手術しなければ助からない重篤の患者。
後の5人はそれほどの緊急性はないが、やはり一刻を争って手術しなければ
助からない。さて、医者であるあなたはどうする。
危篤の1人を優先するか、それとも5人の命を救うために1人を犠牲にするか…」

そんな問いかけで始まる「特別講義」が東京大学安田講堂で1100人の日本人を
相手に開催されたようです。

正義を巡る哲学には3つの種類がある。
1)数字や効率を重視する英哲学者のベンサムが説いた功利主義に基づくもの。
2)伝統的リベラル主義に基づいて人間が全ての物事から「自由」であるべきだという
 考えから出発する米哲学者、ロールズらの主張。
3)人間にとっての幸福や共通善、美徳といった概念を重んじるアリストテレスの説いた考え。

ベンサムの説く数字、効率優先の功利主義ならば、迷うことなく1人の重篤患者を見捨てる。
ロールズらが理想とする「完全な自由」もやはり人間の本質に沿うものではない。

この講義の中でサンデル教授は思ったそうだ。

「日本の学生は引っ込み思案だから(ソクラテスの助産法のように生徒との対話を重んじる)
私の講義に参加してこないという見方もあったが、
まったく違っていた。安田講堂で、ある日本の男子学生が私にこう言った。
『我々は新しい世代の人間です。だから、参加できますよ』とね。その瞬間、
『これは素晴らしいことだ』と思ったよ。そして今の日本社会が何か公共的なものに
飢餓感を覚えていることもわかったよ」

日本のワカモノも捨てたもんじゃない。

予定時間を約1時間20分も超過する盛り上がりぶりの様子は10月31日と11月7日の2回に分けて、
NHK教育テレビで放送される予定なので要チェックだ!

コメント コメントを追加

  1. こっこ より:

    医龍なら、6人助けるね
    興味深いけどNHK教育なんや~

  2. ちーま より:

    要チェックや!Φ(。。)

    1. emi より:

      そやろ 😮

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントに画像を挿入できます (JPEG のみ)