子供の頃はボットントイレだったので、あるホラー漫画にトイレの中から手が出てくるというのがあり、それが脳裏に焼き付いてトイレに行くのが怖くて堪らなかったことを思い出します。
大人になり何十年も経ちボットンや浄化槽を忘れかけていた去年、移転先が浄化槽であることを知りました。
浄化槽というのはトイレや台所や洗面所からの排水を浄化してくれる設備だという事は知っていましたがそれだけの知識しかあれません。
新居の前まで下水の整備がされているのでどうしようかっとなったのですが、浄化槽から下水にするには少し大掛かりな配管工事が必要になってくるので浄化槽が壊れるまでは、そのまま使用しようということになりました。
そこで地元の浄化槽保守点検業者さんに保守点検と清掃をお願いすることにしました。
初めてで相場も分からないので、3社から見積をいただいてとチェックしていたのですが、前のオーナーさんが契約していた熱海環境サービスさんに連絡すると直ぐに家まで来てくれて、実際に浄化槽を見て丁寧に説明して下さりと対応が良かったので即決です。
価格交渉にも応じていただき、年に一度の清掃が6月実施で2万円(税別)、定期点検が年間3回で計9千円で契約する事ができました。費用は浄化槽の大きさや人数等により多少の違いがあるようです。
そして最初の清掃を終え7月の点検で事件が発生したのです!
浄化槽の点検を終えて排水を見ていた業者の社長がしきりに頭を捻り「おかしい…排水が詰まっているかも」と言い、槽を指さして説明してくれます。「この状態だとこのパイプの上に水があってはいけないんだけど…」説明は受けたものの、なにそれ、どしたらいいの状態の私が固まっていると「排水管のどこかが詰まっているけれど原因となる箇所を調べないと処置できない」という事で管内カメラを通してみてくれました。
モニタを見ているとまるで胃カメラと同じように排水管の中の様子が見られます。なるほど水が淀んで流れていない。
「私の経験では多分排水管の繋ぎ目に木の根っこが入り込んで詰まっているんだと思います。この辺りでは多いケースなんですよね」
えーっ、恐るべし、木の根っこ。そしてこの社長の見解はズバリでした。
なるほど我が家のシンボルツリーでもある大木は丁度排水管の通っていそうな場所の上にどっしりと根を下ろしています。
しかし管内カメラは排水管の曲がり口から先に行くことが出来ず詰まっている場所を特定することが出来ません。
すると突然社長が道路の側溝まで走って行くので、後をついて走ってついて行くと、溝蓋に顔を突っ込むようにして何かを確認しているようです。
「ありました!」
その声に私も顔を突っ込んで側溝の中を覗くと、なんと大人の拳二つ分位はあろうかと思う程の塊がある。
社長が道具を使ってガンガン剥がしてくれると小さな根っこがもじゃもじゃに固まってボールのようになっていました。
「こいつが犯人かー」と言うと「これは外に出ている一部で排水管の中にまだある筈です」とのこと。
その後、通管ワイヤーを使って残りの根っこを押し出してくれると突然ダーーーーっと槽から水が流れるようになりました。
あぁ、スッキリしたー!
今まで清掃だけで点検の契約はしていなかったようで、気付くのが遅くなったようです。
早く対処した方がいいという事で時間のやりくりをしてまで作業してくださった社長さんに感謝です。