玄関からこちらを覗きながら顔色をうかがって、あわよくば(非常階段で遊ぼうよぉん)と、まんまるこい瞳で訴える。
ふふ。
「おぬし、まだまだ甘いな。わしは子供じみた遊びにはもう飽きたんだわ」
駄目だよビームを送る、ワタシ。
にゃご。
あぁん、その悲しそうな顔で負けた。
ワタシは悟りました。
恋愛と同じです。
…惚れたが負けよ。
勝ちほこった顔で、腰を浮かして玄関に向きをかえる大ちゃん。
仕方がないねー、うちの子わぁ~♪
こぶしをまわして歌いながらドアをあけると、途端に虫を見つけて、尻尾がぶんぶん。
そこへ、お隣の奥さんがゴミ出しに顔をだして一言。
「わぁ、大ちゃん。可愛い」
ご丁寧に部屋でくつろいでいるダンナさんにも声をかけている。
「大ちゃんがいるよー」
お隣とはいえ滅多に大ちゃんと顔を合わすことはない。
いつもお隣にはベランダ越しに大ちゃんが遊びに出掛けてお邪魔しているので
ここはひとつ愛想をばらまいておくか。
それが大人の処世術というものだ。
「こんにちはぁ、大ちゃんです」
抱きかかえた大ちゃんの顔を手で夫妻の方に向ける。
困った顔をして固まっている大ちゃん。
「愛想なしですみません、はは」
ははが代わりに愛想をばらまく。(韻を踏んでみました。ダジャレです。)
YOU!内弁慶だよ!もっと愛想振りまいちゃえYO!(ジャニさん語でよろしく)
ん、やっぱそう?!
愛想悪いけど、たまに甘えにきてくれるの。
そんな時めっちゃ可愛くって抱きしめちゃう。
むぎぅぅぅ
内弁慶で家族だけになれてるのもかわいいよね。
誰にでも愛想ふってると連れて行かれそうで心配です。
愛想ないのが大ちゃんの良いところかも~
お嬢みたいに愛想振りまいてストレス貯めるより良いよ(笑)